2013年05月18日

マクロ経済スライドとは【年金制度】

少なくとも5年に1度の財政検証の際、おおむね100年間の財政均衡期間にわたり年金財政の均衡を保つことができないと見込まれる場合は、年金額の調整を開始します。

年金額は通常の場合、賃金や物価の伸びに応じて増えていきますが、年金額の調整を行っている期間は、年金を支える力の減少や平均余命の伸びを年金額の改定に反映させ、その伸びを賃金や物価の伸びよりも抑えることとします。
この仕組みをマクロ経済スライドといいます。

その後の財政検証において年金財政の均衡を保つことができると見込まれるようになった時点で、年金額の調整を終了します。
なお、このマクロ経済スライドの仕組みは、賃金や物価がある程度上昇する場合にはそのまま適用しますが、賃金や物価の伸びが小さく、適用すると名目額が下がってしまう場合には、調整は年金額の伸びがゼロになるまでにとどめます。
したがって、名目の年金額を下げることはありません。
賃金や物価の伸びがマイナスの場合には、調整は行いません。
したがって、賃金や物価の下落分は年金額を下げますが、それ以上に年金額を下げることはありません。

ということですが、ごく簡単にいうと、「マクロ経済スライド」とは、インフレになった際に毎年毎年受給額を目減りさせる仕掛です。
「急激なインフレになっても年金生活者が困らないように、物価や賃金の上昇率に応じて受給額を毎年増やしていく「物価スライド」は年金制度には必要不可欠な仕組みです。
民間の個人年金や保険では不可能なことであり、だからこそ公的年金は高齢者の生活を守るセーフティネットとして機能してきました。

しかし、2004年に「マクロ経済スライド」が導入されたことにより、それまでの物価スライドが放棄されました。
もし、インフレになってこの仕組みが発動されれば、日本の高齢者の生活はかなり苦しくなりそうです。

「マクロ経済スライド」はインフレ率から「スライド調整率(厚労省は0.9〜1.4%を見込む)」を引いた改定率を毎年適用して、年金額を決めるというしくみです。
スライド調整率は、年金財政を支える現役世代の減少率と平均余命の伸び率から導き出すことになっています。

たとえば、物価が上昇し、インフレ率が2%、スライド調整率が1%であった場合、それまでの制度であれば2%増えたはずの年金額が、インフレ率からスライド調整率を引いた1%しか増えないことになります。

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posted by ドイル at 00:02| 金融・経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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